◆2008/04/16 30歳女性(主婦)
・住所:横浜市緑区
・きっかけ:当院HP
・初診日:2007/03
・主訴:パニック障害、健康維持
・治療頻度:週1~2回
・経過・感想など
吉岡鍼灸院との出会いは、当時2歳の娘の夜泣きがきっかけでした。娘は3回ほど通うといつの間にか夜泣きもなくなり、続けていくうちに次第にかんしゃくや風邪をひきやすい体質も改善されていきました。そんなこともあり、10ヶ月の息子も風邪をひいたのを機に治療をすることにしました。思ったより二人とも早く状態も落ち着きよかったのですが、今度は私自身が心身のバランスをくずしてしまいました。とりあえず心療内科を受診し、パニック障害と診断されました。また脳の神経伝達物質の分泌異常が起きているとの説明を受け、精神安定剤を処方されました。薬はそこにアプローチするものですが、私は直感的に単に脳の問題だけではないのでは?という想いがありました。薬は副作用があります。また何種類もある薬との相性を試しながら治療するということでしたので、常に不安がつきまといます。私はこれからどうやって治していきたいのか。自分にとって一番の方法は何だろうか。と考えた結果、薬ではなく鍼灸で治していこうと決めました。初診では「病名は意識しないように」とアドバイスをもらいました。思い込みによる悪化を防ぐためだそうです。私の主な症状は、突然の息苦しさや呼吸がうまくできなくなること、めまい、原因のない不安感でした。自分で自分をコントロールできないという状態にとてつもない恐怖を感じるようになり、人ごみや混雑した場所も大変な苦痛となりました。
何度も薬を飲んだら楽になれるだろうかと迷ったりもしましたが、自分と鍼灸を信じることで何とかやり過ごすことができました。
通院し、4ヶ月を過ぎた頃、ふと気づくと人ごみなど混雑した場所で平常心でいられる自分がいました。今思えば、ピーク時には1日数回起きた発作も現在では感じることはありません。治療は、先生に全てを治してもらおうという気持ちではなくて、治るための手助けをしてもらうという気持ちで通い、また私も自分の心身の状態や生活を見つめ直していくという両面があったからこそいい方向へ流れていったのではないかと思っています。こつこつと治療を重ねることは、地味なことです。しかし、少しでも元気に、よりよく生きていたいと願う時、その積み重ね自体が楽しいことだと感じる様になりました。
吉岡鍼灸院に通い、お話しの中で様々なことを気づかせていただきました。特に季節や環境などは身体や心に大きく影響しているという点は、皆なんとなくわかっている様でわかっていなかったり、すぐに忘れてしまいます。自然の循環(めぐり)とともに人も変化しているという見方、両者の深い関係を考えることは、とても、とても大切なことだと思います。
これからも自分のために続けます。また私自身の姿を通して、周囲に少しでも鍼灸のよさを広げていくことができたらうれしいです。
いつも、ありがとうございます。
◆2008/03/13 34歳女性(会社員)
・住所:藤沢市
・きっかけ:知人の紹介
・初診日:2003/02
・主訴:花粉症、うつ病、健康維持など
・治療頻度:週1~2回
・経過・感想など
治療をはじめてからもう5年もの時間が経ちました。就職をしてから花粉症になり、それから長いこと春になると必ず顔全体の不快感、目やのどのかゆさ、鼻水、くしゃみ、だるさに見舞われていました。そんな中で私は、知り合いから鍼灸でよくなるよと言われ、その人が通っている鍼灸院を紹介してもらいました。
はじめての治療の時に、花粉症を治療するために来たにも関わらず、花粉症以外のいろいろなことを聞かれ、夏でも足が冷えることや、年中肩が凝ってること、眠りが浅くてよく嫌な夢をみること、便秘がちであること、生理が遅れがちで生理痛があることなどなど、自分が意識していないだけで多々問題があることがわかりました。先生によれば、花粉症という症状はあくまでもその人が持っている一つの問題であって、ほかの症状も含めそれを起こしている五蔵の状態が問題なのだそうです。五蔵は、人のエンジンのようなもので、内側にある五つの蔵が過不足無く働くことで健康が維持されるのだけれども、その五蔵は生きている以上はある程度のアンバランスを持ちつつ時間とともに消耗していくのが通常の状態で、それが不規則な生活やストレスなどによって過度に消耗して、五つのバランスがより崩れた状態が病気であり、様々な症状として外側に出るのだと。だから、その過度に崩れた五蔵のアンバランスを整えていくことで私の持つあらゆる症状を改善していくのだそうです。最初はさっぱり意味がわかりませんでしたが(HPにはいろいろと詳しく書かれていますし、この長い時間の中でたびたび説明をしていただきましたから、今ではおぼろげながら理解できていると思います)、なにしろそうやっていわゆる体質改善をしていくために、最低2~3年の時間が必要と言われ、知人から聞いてはいたものの、やはりそんなにかかるのかと正直その話を聞いて落胆してしまいました。しかし、それまでもサプリメントや甜茶、よいというものはなんでも試しましたし、耳鼻科の薬でごまかすことはできても治りませんでした。それどころかここ数年は花粉症の症状がひどくなっていましたので、このつらい状況から抜け出したかったですし、ほかのあまり気にしていなかったものも良くなっていくとのことでしたので、まずは1年と心に決め、週に1~2回の治療を続けることにしました。
とはいえ、時期がすぎてしまえば症状がうそのようになくなる花粉症ですから、何もない時にも治療をしていくということは、さんざん説明を受けて、そうしないと本当の意味で治っていかないことは頭でわかっていてもやはり抵抗がありました。そんな折、治療をはじめて4ヶ月をすぎた頃でしょうか、ちょうど梅雨時で、いつもなら体がだるくなって気分が落ち込み、毎晩のように悪夢を見る嫌な時期にさしかかったにも関わらず、だるさも気分の落ち込みも、悪夢もうそのように無いとはいきませんでしたが、程度が軽いのです。それも先生に尋ねられて気がついたのです。実は花粉症が悪化しだした頃にうつ病も発症してしまいましたが、服薬を拒み続けてきたことがよかったそうで、今はそれも鍼灸を続けてよくなってしまいました。「人は悪くなるとすぐにわかるけれど、よくなると気にならないからわからなくなる」のだと、先生は笑っていました。納得です。ようやく鍼灸の効用というものが感じられ、それからは治療に対して積極的になっていきました。
そうこうして治療をはじめて1年がすぎて、よくなっているのではないかという期待感とまたあの時期が来るのかという恐怖感で複雑な気分で春を迎えました。ここ数年は花粉の飛ぶ量に関係なくひどかったので、不安の方が強かったです。しかし、この不安は不要でした。なんと、梅雨の時と同じように昨年よりも症状が断然軽いのです。ずっと先生から「治療は本人の続けていく努力次第ですよ。こちらは治療を無理強いできませんからね(笑)」と言われていたので、この1年間がんばって治療を続けてきた甲斐があったという安堵感と、よくなってきたうれしさとで、なんともいえない達成感がありました。これならはもっと続けて治してやろうという気持ちになりました。
年を重ねるごとに明らかに症状は軽くなり、その過程で一時的な不調はあっても、全体としては気分の浮き沈みが安定し、生理の周期もだいぶ一定し、生理痛もなくなるなど、最初に言われたとおり、ほかの症状もだんだんとよくなっていきました。3年目には寝不足をしたり疲れている日などはむずがゆくなる程度ですみ、それ以降はもうなんともありません。今年も今のところなにもありませんから、すっかり花粉症は治ってしまったのでしょう。いわゆる、それらの元凶であった五蔵のアンバランスが調ってきたことの証なのでしょうね。
今では、忙しくて不摂生をしない限りは花粉症以外の症状もおおむね良好ですが、やはり仕事のストレスや無理がたたると便秘がちになったり、肩がこったりと不調も出てきますので、今はそうならないよう、習い事のように治療を継続しているところです。というよりも、鍼灸の効果に魅せられてしまい、元気でいられるためと言った方がいいですね。
先生はいつも、「症状が出てからでは遅い。症状が出る前に先手を打つのが上策で、それこそが鍼灸の本領なのだ」とおっしゃいます。これからは後戻りしないよう、症状を治していく治療から、体調管理(五蔵のアンバランスを過度にしない)というさらに上の治療をしていこうと思います。 |