医不病

古人の言の一つに「医不病(医は病まず)」*とあるが、医する者も、ただの人である以上、程度の差こそあれ、やはり病人に違いない。また「常以不病、調病人(常に病まざるを以て、病める人を調う)」*ともあるが、この故に、医する者を基準にして病人をはかり診た結果は、医する者が変わればおのずと変わるのだから、まったく信用できない。そもそも当人のことは、当人を基準にするのが当然である。

 *『素問』平人気象論「平人者、不病也。常以不病、調病人医不病、故為病人平息、以調之為法(平人とは、病まざるなり。常に病まざるを以て、病める人を調う。医は病まず、故に病める人の為に息を平かにして、以て之を調うるを法と為す)」。

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