薬物と鍼灸

薬物をつかうことはたやすいが、やめることはむずかしい。依存性があるから。
鍼灸をはじめることはむずかしいが、やめることはたやすい。依存性がないから。
依存性の有無は、目的の根本的な相違、すなわち抑えることと治すことの違いに由来する*。それゆえに、薬物中毒はあっても、鍼灸依存症はない。
 *一過性のものなら抑えることでやり過ごす(勝手に治るのを待つ)のもよいだろう。けれども、長期のものであるのなら、話はまったく別である。薬物を増やし続けても、目の前のものをごまかすに過ぎないのだから、本質が変わらないばかりか、より悪化させることさえもある。

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