彼は自分の観察眼を尊重する弱点を持っていた。もっとも、これは彼の五十という年を勘定に入れると、大抵ゆるすことの出来る欠点である。実際この年輩になると、賢い、世馴れた、暮しに不自由のない人は、誰でもだんだん自分を敬うようになるのである。時とすると無意識に、そうなることもある。
『カラマーゾフの兄弟』第二篇・第二より
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