33歳・女性・会社員
 ○主な症状:生理痛・首肩のこり
 ○発症時期:中学生の時より(初潮以来)

 ○来院までの経過:中学生になり初潮がくるが、初回からひどい痛み(腹・腰ともに)で薬を飲んでも寝ていないとつらい。社会人になり、食生活の乱れも加わり通勤途中に何度も駅の事務室に運ばれたり、ひどい時は病院で点滴を打つほど悪くなる。いろいろなセラピーや治療を試すも効果がなく、最後に近くの当院へ来ることに。

 ○原因:体質+ストレス、食事などの不摂生
 ○その他の所見
・飲 食:
少食(特に生理前)。帰りが遅く食べないことも多い。
・大小便:
小便は、回数・量ともに少ない。
・睡 眠:

帰宅時間が遅いため、夜更かし(寝不足)になる。

・生 理:

上記の通り。

・その他:

生理前に口周りにニキビが出る。夏になると食欲がなくなり、食べられなくなる。また、強い日差しに当たるとすぐに頭痛が出る。
 ○治療開始時期・頻度:2003年03月より開始。週1回の治療とした。
 ○治療経過:治療を開始して最初の3ヶ月経つ頃には、薬がなくても我慢ができるようになる。仕事は相変わらず忙しく、不摂生ぎみであることには変わりはないが、1年経ってみると驚くことに生理痛を感じなくなる。
 ○現在の状況:生理前の増加はほとんどない。
・飲 食:
少食。
・大小便:
小便の量が少ない。
・睡 眠:
夜更かしはなるべくしない。

・生 理:

普通といってよい。 

・その他:

強い日差しに当たると頭痛が出る。
 ○治療者からのコメント:この方は、もともとの体質的な問題に加え、ストレスや不摂生なが大きな原因となっていました。仕事をやめるわけにはいきませんので、どれだけよくなるのか不明でしたが、思った以上に良くなった例です(ある程度のところからよくならない場合が多いです)。現在は、仕事の疲れを取ることと体調の管理も含め治療を継続中です。

 

25歳・女性・会社員
 ○主な症状:生理不順・生理痛・ニキビ・皮膚炎
 ○発症時期:中学生の時より(初潮以来)

 ○来院までの経過:中学生になりすぐに初潮を迎えるが、生理痛がひどく、同時にほほやひたいにニキビが出だす。その後の生理周期は約2〜3ヶ月と遅れることが常で、生理前は口のまわりやあごにも出る。また、生理痛がひどく、二日目までは薬を飲んでも横になっていないと我慢ができない。また、期を同じくして手のひらや指ががさがさになりかゆくなり出す。手のかゆさやニキビの多さのために、よくイライラもする。婦人科・皮膚科で治療も受けたが改善せず、あきらめていた。やがて仕事をするようになり、人間関係でストレスがたまりさらに悪化し、我慢できなくなり来院。

 ○原因:もともとの体質+ストレス(生活環境・職場)←物事を深く考えすぎてしまう傾向にあり、人との接触が苦手
 ○その他の所見
・飲 食:
脂っこいもの、味の濃い物、冷たいものを好む。軽い過食と拒食を繰り返す。
・大小便:
下痢と便秘の繰り返し。小便は、回数・量ともに少ない。
・睡 眠:
眠りが浅い。夢をよく見る。夜中に目がさめることが多く、なかなか寝付けない。

・生 理:

生理不順(2〜3ヶ月に1度、ひどい時で半年に1度)。おりものが多い。血の量が少なく、生理痛は寝込むほどひどい(薬は効果なし)。 

・その他:

ニキビが多く、生理前に増える。口内炎や口角炎が絶えない。手足が冷える。よくイライラする。手のひらや指ががさつき、かゆい(夜になるとかゆさがます)。季節の変わり目(土用)や梅雨、秋・冬、生理前はあらゆる症状がひどくなる。 
 ○治療開始時期・頻度:2001年04月より開始。週1回の治療とした。
 ○治療経過:治療を開始して3ヶ月がたった頃より夜中に目がさめる回数やニキビの数が減り出す。症状がひどくなる9月に入るも、昨年よりは悪化せず。1年が経つと、口周りやあごはあるもののホホやひたいのニキビはかなり減る。生理周期も1月半となり、生理痛(寝込むほどではなくなる)や直前のニキビ増加も昨年よりもよくなる。治療から2年が経ち、生理の周期はかわらないものの、生理痛は普通に生活できる程度となり、口周りやあごのニキビも半減する。
 ○現在の状況:生理周期が遅れて1月半。ニキビは口周りとあごに少々ある程度。生理前の増加もほとんどない。
・飲 食:
脂っこいもの、味の濃い物、冷たいものを好むが、がまんができるようになる。
・大小便:
便秘ぎみになることはあるが、基本的に快調。小便は、量が少ない。
・睡 眠:
眠りが浅い。夢はあまり見なくなる。夜中に目がさめることは少なく、起きてもすぐに寝付ける。

・生 理:

周期も約40日前後となり、生理痛もほとんどなし。 

・その他:

口内炎や口角炎は、たまに出る程度。手足が冷える。職場でイライラする。手のかさつきとかゆみは、軽くはなったものの季節の変わり目と秋・冬はやはり出る。 
 ○治療者からのコメント:発症してから時間が相当経っていること、原因が再生産されているということがあるため、症状の改善は非常に時間がかかります。この方の場合は、おそらく手のひらや指にでるかさつきやかゆさが一番長くかかるもののように思います。根気よく治療を重ね、現状の維持(症状の悪化を防ぐ)はもちろんですが、少しずつ症状の改善をはかるより方法はありません。この方は、このことをよく理解し現在も治療を継続中です。

 

32歳・女性・OL
 ○主な症状:生理痛・偏頭痛・不眠・肩こり
 ○発症時期:生理痛は中学生以来。偏頭痛以下は1998年より。

 ○来院までの経過:上記のお二人同様に、初潮以来ひどい生理痛をかかえる。周期も35日前後と若干遅れ気味。社会人になり、仕事の忙しさとストレスで薬を飲んでも痛みが軽くならず、脂汗をかきながら貧血で倒れてしまうことも多くなる。

 ○原因:体質+仕事のストレス、不摂生
 ○その他の所見
・飲 食:
早食い。味の濃い物・脂っこいもの・冷たいものをたくさん取る。
・大小便:
便秘気味(はじめかたく、あとはやわらかい)。小便は、回数・量ともにすくない(1日に2回)。
・睡 眠:
眠りが浅い。不眠(寝られず朝の3〜4時まで起きている)。

・生 理:

薬が効かず、痛みのために気を失うこともある。 

・その他:

手足がほてる。暑がりで薄着でいることが多い(常に体を冷やしている)。なにもしていないのによく汗をかく。人前では明るくふるまうが、一人になると不安になり泣いてしまう(他人によく気を使う)。
 ○治療開始時期・頻度:2002年03月より開始。週1回の治療とした。
 ○治療経過:治療を開始して2ヶ月がすぎる頃に、12時には眠れるようになる。半年経つと薬の効きが良くなり出し、1年で薬なしでもなんとか我慢できるようになる。
 ○現在の状況
・飲 食:
味の濃い物・脂っこいもの・冷たいものが我慢できる。
・大小便:
小便は、量がすくない。
・睡 眠:
眠りが浅い。早く寝られるようになる。

・生 理:

痛みはするものの薬がいらなくなる。周期は30日前後になる。 

・その他:

薄着をなるべくさけれるようになる。異常な汗がでなくなる。一人になって泣くことがほとんどなくなる。 

 ○治療者からのコメント:この方に限らず、社会人は皆多かれ少なかれストレスや生活の不摂生を強いられてしまいますし、もともとの体質に加えそれが大きな原因となっていることは否めません。ですから、究極はその原因となっている要素、つまり仕事をやめるということでかなり解決される問題なんですね。とはいえ、現実的にそれは無理ですから、もともとの体質の改善をして現状よりもなるべく良くなるようにと治療をするわけです。
  このことを念頭に治療を続けていくことになりますが、そうしていくとまずは睡眠のような形のない症状から良くなっていきます。どんなものでも1年も継続するとそれなりの変化が見られ、問題の生理痛も薬がなくても平気という状態にまでなりました。おそらく、あとはネックである仕事ととの兼ね合いになると思われます。かといって、ほっておくとすぐに悪化してしまうので、現状維持のために治療を継続しています。