●小児鍼(こどものはり)について●
04/09/09初稿 06/11/20小訂

●小児鍼(こどものはり)について
子供は、成長する力がみなぎっておりますが、急速に発育していきますので、その過程で多くの不調和が生じ様々な症状を発現します。よく知られているものとして、疳の虫(かんのむし)・喘息・アトピー・消化不良・食欲不振・下痢・便秘などがあります。この他にも症状は多種多様で、これらは大人になるにつれ自然と治るものもありますが、一生物(持病)として将来を共にするということも多々あります。それは、本人の成長する力を十分に発揮できるようその時に適切な対処をしなかったがためと言えます。そうなってからでは手遅れです。“鉄は熱いうちに打て”と言うように、病がまだ新しいうちにそれを治療し、かつよりよい成長ができるよう心身のバランスを整えてあげましょう。

●使用する鍼について
大人と同様の鍼を用い、皮膚鍼という鍼を持って皮膚をさするとう方法で治療をします。ですから、鍼を刺すということは一切ありませんので、“痛い”ということとは全く無縁なものです。さするだけで大丈夫なのか?と思われるかもしれませんが、子供は何事にも敏感ですから、少しの治療で驚くほど反応をしますので心配はいりません。
●使用する灸について
子供にもやはりお灸はします。古くから行われている“ちりけの灸”といって、背中の身柱というツボにごく小さなお灸(糸状灸)をします。ごく小さなお灸ですので、一瞬ちりっとした感覚がある程度でやけどの心配はありません。糸状灸いついては“使用する鍼・灸について”でも詳しく書いてありますので、そちらをご覧下さい。
●小児鍼の適応年齢
はり・きゅうにはお年寄りがするものというイメージがあるようですが、実際には違います。産まれてすぐの赤ちゃんでも治療は可能ですし、先にも触れたように、より健やかに育つという意味でも有効な手段となっております。鍼灸の持つ“治未病(未だ病ならざるを治す)”という性格を考えれば、病気がなくとも小さい頃より治療を続けていくことこそが、その理想的なあり方と言えます。
●治療時間について
治療の時間・量は、ともに大人にくらべてごくわずかになります。ですから、5分程度が目安になります。
●治療期間について
「何回くらい通えばよいのか?」という質問をよく受けますが、症状を起こしている体の状態は個々人によって異なりますから、例え同じ症状であっても3ヶ月であったり半年であったり、あるいはもっとということも多々あります(大人も同じことです)。また、簡単に治るものは本当にごくわずかで、体の状態を変化させるには、それなりの時間が必要です(すぐに治るものは、ほっておいてもよくなります)。例えば、アトピーや喘息などは、最低でも1年は必要です。それは、季節によって症状の軽重が変化しますから、翌年のひどくなる時期に悪化をしないということが確認されない限りは良くなってきているとは言えないからです(一見良いと思われる時にも治療を重ねることで、ようやく体の状態も変化するというものです。喘息や花粉症、メニエールなどはその最たるものでしょう)。時期によって症状が変化するのは、人の体もまた季節の移ろいとともに変化しているからで、治療の効果も同じく3ヶ月(1シーズン)経つ頃に顕著となってきます(もちろんその間にも少しずつ変化はしていきます)。
このようなことから、皆さんにはまずは
週に2〜3回の治療を3ヶ月は続けていただいております。最後は子供さんが元気に生長するということが一番の目的ですから、いずれにせよ多少の時間をかけてあげる必要がありますし、かければかけるほど良いとも言えます。
●保護者の方へ
子供は、あらゆることに対し敏感に反応します。ですから、親の精神や肉体の状態を常に感じとっているということもご承知ください。また、それが子供の症状の原因になっている場合も多々ありますから、思い当たる節のある方は一緒に治療されることをお勧めします。
また、ご来院される前に、「はりを打ってもらいに行く」であるとか「○○を治してもらいに病院へ行く」といった子供さんの恐怖をあおるようなことはしないよう心がけて下さい。最初は白衣を着ずに治療致しますので、本人には「誰々さんの家にちょっと行く」、「楽しい所に遊びに行く」などと言っていらしてください。
最後になりますが、どんなことでもそうですが治療には根気が必要となります。お子様の健康のために、面倒がらずに治療を継続して下さい